令和8年熊本地震にて被災されました方々に心からお見舞い申し上げます。
イオンモール熊本で大規模なガス爆発が発生しました。すぐに46年前に静岡で起きたあの事故のことを思い出しました。1980年(昭和55年)8月、静岡駅前の紺屋町地下街でガス爆発が発生し死者15人負傷者223人の大惨事となりました。私はまだ静岡に来る前で新卒のサラリーマンとして東京にいましたが、テレビで父の名前が負傷者リストの一番最初に出たときには大層驚きました。様子を見に行った父は知人と二人で地下街から階段を上がってひとり左に曲がり、その途端に大爆発で強烈な爆風が階段から吹き上げました。数秒前に分かれて直進した知人は吹き飛ばされて命を落としました。爆風を寸座に背中でやり過ごした父はかすり傷を負っただけで最初の救急車で運ばれたので負傷者リストの筆頭に載ったわけです。父はまさに九死に一生を得るような命拾いをしたのでした。
この事故、15年にわたる裁判を経た後も未だに原因不明となったままです。被災したビルも長く無惨な姿を晒し続けました。何よりも原因がわからないと責任の所在が掴めないので、損保、生保、労災、解体、再建などのあらゆる手続きが困難になりました。今度の事故も同じで現時点で原因が確定していません。一瞬にして大規模に吹き飛ぶので証拠が消えてしまうのでしょうか。地震と事故との因果関係、予見性、地震保険は適用されるのか、物損の保証は誰がするのか、人ごとながらとても関心を持っています。
加えて心配なのは、モールで被災された人たちがテナントの従業員であるという、微妙な立場です。客ではないですが、と言ってイオンの社員でもありません。またイオンとテナントとの契約も単なる賃貸借ばかりとは言い切れず、短期のポップアップや催事のこともあります。給料は誰からもらっていたのか。アパレルショップの店員というのは、必ずしもアパレル企業本社に籍を置く社員とは限らず、フランチャイズであったり、特に熊本のような地方都市の場合には、販売代行といって、地元の衣料専門店が複数店の掛け持ちで販売業務だけを任されることも多く、また近頃はごく短期の日雇いのような人材派遣もあります。つまり雇用主も雇用形態もまちまちで、そんな彼らにちゃんとした労災の適用はあるのでしょうか。命を犠牲にしただけの代償は約束されるのでしょうか。とても気がかりです。
誤解のないように言いますが、私は決してイオンを非難しているわけではありません。むしろ3000人の客と1300人の従業員を30分で店外に退避させるなどそう簡単にできることではないです。称賛に値します。もし店内に客を残していたらどうなっていたことか、想像するだけでゾッとします。
静岡は地震が来るぞ来るぞと真っ先に言われ続けたまま、よそのところばかりが揺れていて、もちろん静岡のせいではないのですが、そのたびになんだか申し訳ない気持ちになります。特に熊本は2度目です。自分ができることは何なのか。今回の地震でこんなことを感じている人間もいる、ということを表明するのもどこかでなにかの役には立つんじゃないかと思って書き記しました。(弥)
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