出来上がり紹介。ジャケット、スーツ、トラウザーズ、シャツ。

ジャケット。

夏用の明るめの紺系統で出物があれば、と、お探しに見えたMさん、
バラケの中から見つけたのが、伊ロロ・ピアーナのヘリンボーンの生地、
ウール45%シルク35%リネン20%、の3者混の素材です。


この上衿のカーブを見ただけでファクトリーがわかりますね、那須夢工房です。

次はスーツ。手持ちの夏物グレンチェックがかなり傷んできたので、買い換えよう、という、
Iさんからのご注文。

これもバラケ物からのチョイスで、やはり伊ロロ・ピアーナのグレーベースにブルーの差し色の、チェック柄。
1%のポリウレタンで、ストレッチが効いてます。ファクトリーはアルデックスです。

トラウザーズ。

ブラックウォッチのパンツが2本、Mさん。
左は英国製のウール。かなりの大柄になるので柄合わせが手作業になります、と、
ファクトリー(M社)から割増請求がありました。
右は日本製のコットン。ちょっとヘビー目の生地です。Mさん、水洗いはしない、ということでしたので、
膝裏も付けて、裾もダブルにしてみました。

これは私・野沢の。英国空軍が開発した防水素材ベンタイルの日本製ライセンス生地で作りました。
手持ちのオリーブグリーンの綿パンが、ヘビーユースで傷み始めてきたので、
こりゃ早めにもう一本手当てしておこう、と、トラウザーズを作ろう、に自ら参加しました。
まだ大雨に合ってないので、その防水効果未検証です。
水洗いできるように、膝裏も付けず、裾仕上げも三ツ巻のミシンたたきです。

シャツ。
リンクルフリーウェアとエコノミーセールのはざまなので、
今回はレディスの一枚のみです。Oさんから。

白ベースにグレージュの、夏らしいチェック、
綿65%に指定外繊維(ヘンプ)35%の素材。
ヘンプは日本語では大麻になるので、間違ったイメージを持たれがちですが、
近年は農薬も殆ど使わず成長も早く何度でも収穫できて、大変エコロジカルな素材として再注目されています。
もちろん、日本では栽培自体が禁止されているので、繊維取得目的にちゃんと管理された海外の農場で栽培されているものです。
更にややこしいことに、日本では麻というと亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)しか認められないので、
ヘンプは指定外繊維というなんか「非通知」みたいな怪しげな呼び方をされてしまうのですね。

さて、この先は、「靴を作ろう!!」の期間になりまして、
靴が続々仕上がってきてます。


 

 


出来上がり紹介。シャツ、スーツ、ジャケット、トラウザーズ、陶器。

シャツから行きましょうか。まずYさんの2枚。

左は、リンクルフリーのブルーギンガム。ネイビーのハンドステッチ。
右、カリビアンコットンsilver100/2Gのドビーストライプの白。オレンジのハンドステッチが効いてますね。

レディス。Kさんからのリペア依頼で、クレリックに生まれ変わりました。
ボディのタッタソールがオックスフォード生地なので、付け替えた衿、台衿、カフス、もオックスの白にしました。


綿パンのオーダーも今後は増やしていきたいです。
これは、Sさんからのご注文で、ベルトレスで、という条件付き。
ドレスパンツとして履きたいので、裏地も付けて、裾もダブルに。
生地は国産のコットンツイルストレッチ、オリーブグリーンです。


Oさんのジャケットはバラケの生地群から伊ゼニアのブルーの生地を選びました。
東南アジア方面の出張が増えるから、というOさんからのご要望にうまく応えられました。

Oさん、スーツもご注文いただきました。
こちらは伊カノニコのバラケ、ブルーのピンヘッド調のマイクロチェック。


大柄のKさんから、真夏以外のほぼ年中着られる程の生地でごくごく普通のツブシの効くグレーの無地を、
というご要望から、葛利毛織のサキソニーをお薦めしました。
袖の肩口あたりにへこんだようにシワがでているのは、彼が大柄であるためで、
体と腕が入れば消えるものです。
特にアルデックスの腕は大きく前へ振れているので、
ハンガーにかけるとおかしなシワが出るのは仕方ないことです。
既製品の場合は、ハンガー掛けの状態の見栄えも考えないといけなくて、こういうシワは見苦しい、と判断されてしまうのですが、
オーダー品は、着てなんぼ、なので、ハンガー掛けの見栄えは考えなくていいのですね。

ニコラス・モスも届いたので、出来上がりに入れときましょう。


 


出来上がり紹介。GW案内の前にやっておきましょう。前回ゼロだったシャツが大きく増えて、今回は靴がゼロに。

季節性のないアイテムのはずのシャツや靴ですが、
増えたり減ったりするところがオーダーアイテムの面白いところ。
キャンペーンによっての変化が多いですね。

まずスーツ。

Kさんのスーツです。NZ100JN50の記念の生地です。
あれ、あの生地は完売したんじゃないの、という疑問もあるでしょう。
はい、当社で買い取って仕込んだ分はとうに売り切れたのですが、
同じ生地を葛利さんでも何反か同時に作っていたので、そちらの生地を回してもらいました。
売り切れてしまってもうないんじゃないか、と思っていたものが、意外にまだ手に入ったりする、
これは、ダメモトで聞いてみてくれた、Kさんの勝利でした。


Oさんのジャケット。英ハリソンズのムーンビーム。
スコットランド製、ラムズウール75%アンゴラ25%の生地です。
このラム・アンの糸はスコットランドではマフラー等にもよく使われている素材で、
カシミア・タッチのぬめり感に上品なイメージがあります。
大柄のチェックですが、さすがアルテックスですね、柄合わせは完璧です。


オーダー仕上がりではないのですが、ソックスのご注文が届いたのと、
チルデンセーターの予約分もお納めしたので、ココで紹介しておきますね。

さて、前回紹介がゼロだったシャツ、今回は20%offのイベント絡みで、続々と仕上がってきました。
今回皆さん枚数が多いのは、この20%offの直後からほとんどの生地の価格が1,000円アップになることが決まっていたからです。なので今回はいつもよりも強く複数枚買いをプッシュいたしました。


Aさん5枚口。襟型はすべてホリゾンタルワイド。
左から、伊アルビニ・ネル調チェック、伊カンクリーニ・白ベースの小さなペイズリーブリント、
伊トーマス・メーソンが近頃オシてるアースカラーの無地、
日カリビアンコットンゴールド120/2Gの赤+紺ストライプ、遠目からはパープルに見えますね、
最右は伊レジューノ・ジャカード織りのペイズリー、ブラック。この一枚だけボタンが黒蝶貝。他の4枚は二重タライの白蝶貝釦。


Iさん、4枚口。左から。
伊トーマス・メーソンで一番人気がこのブルーの無地。
この色、なかなかありそでない色でして、リピータも多く、Iさんも2度めのご注文です。
次、カリビアンコットンシルバー100/2Gのとろっとした織りの白無地。
で、この2枚はニューセミワイド。次の2枚は先端だけを丸くカットしたラウンドチップ。
この白とブルーは色違いで、最近カリビアン・シルバーに追加になった最新の生地。いち早く試していただきました。


別のIさんは白ばかり長袖3枚と半袖3枚の計6枚。でも生地はすべて違うんです。
カリビアンシルバー・白ピケでショートウインザーの衿。
国産最高峰スビンコットンの白ワッフルでホリゾンタルワイド。
伊トーマス・メーソンの白ドビーでホリゾンタルワイド。
半袖3枚はホリゾンタルワイドのボタンダウン仕様。
左、ニット素材。中、リンクルフリー鹿の子織り。右、リンクルフリーツイル織り。
画像にはありませんが、6枚とも前見頃の左下にアイボリーで数字の刺繍が入ります。
よーく見ないと気づかないような、Iさんの隠れた主張、アンダーステートメント、です。


レディスです。左2枚は東京のIさんからメールでのご注文。
カリビアンシルバーのチェックで大きなブラウンと小さなレッド。
スタンドカラーに星型のボタン。
右はOさんの七部袖。カリビアンゴールドの薄ピンク色ドビー無地。
衿型はいつものカッタウェイラウンドです。


Nさんの3枚口。
左、二度目の登場、伊トーマスメイソンのアリナサ(ありそでなさそ)ブルー無地。
中、ハードマンのアイリッシュリネン、新色のオリーブ。
この二枚は、セミワイドをスナップボタンで留めました。こうすると大きな衿型でも衿がハネないんですね。
右、ジャカードで大きな花柄の織模様。新型衿のロールレギュラーをこれもスナップ留めしました。
細かいことですが、この一枚だけは裏前立にしています。柄合わせがスッキリとなってくれるように配慮しました。


いつもはリモートオーダーの愛知県在Aさんですが、今回は新幹線に乗ってご来店です。
左、今回三度めの登場、伊トーマスメイソン、アリナサのブルー無地。
右、同じく伊トーマスメイソンらしいマルチカラーのストライプ。
ネック36cmは写真で見ても小さく見えます。小さい胸ポケはAさんらしい隠れた主張です。


Oさん、いい生地で普通の白を、というご要望への答えは、
カリビアンシルバー白のマイクロヘリンボーン。
Nさんからは麻の白のBD、というご希望で、ハードマンの南ア製アイリッシュリネン。


Mさん、カリビアンシルバーのホップサック調無地の色違い二枚。
ホリゾンタルワイド。怒り肩補正入りです。


大トリ、Yさんの10枚。
タテ積みの上から行きます。
1.市松ジャカードピンクはカリビアンシルバー。
2.ふんわり織りピンク無地もカリビアンシルバー。
3.小市松柄ドビーのグレーはカリビアンのゴールド。
4.伊カンクリーニ、ブルーのストライプなのに綾目のドビー白が入った変わり織り。
5.茄子紺の隈取りストライプは伊トーマスメイソンらしい英国的な柄。
6.7.カリビアンゴールドの白無地ブロード同じもの2枚。
ココまで、衿は全てニューセミワイド。
横展開の3枚。
左、フィナモレを似したナポリカッタウェイはアイルランド産の純血アイリッシュリネン、ビンク無地。
右の2枚はリペア。衿とカフスの交換です。新品同様に蘇りました。

と、怒涛のシャツ仕上がりでしたが、当然反動が来るものでして、
その後シャツのオーダーはさっぱり、激減しています。ま、仕方ないか。

ご注文いただきましてありがとうございます。末永くご愛用ください。









出来上がり紹介。スーツと靴。そんなにないのですが、ここで冬と春の境目と、一区切りとします。

まずスーツ、Kさん。ほぼ毎年、誕生月の12月にご注文をいただきます。

英ハリソンズの秋冬の代表的生地、プレミア・クリュ。
super100’s+カシミアでヨークシャー・ハダースフィールドの矜持を感じさせます。
柄をわかりやすくするために明るく撮ってますが、実際は濃紺ベース。
グレンチェック部分はほとんどわからないぐらい地味で、
サックスブルーのウィンドペインがわずかに柄物であることを表現しています。
紺のスーツを何着もお持ちのKさんらしい、自信に溢れた良いチョイスです。
毎年この時期のご注文は、ご自分の頑張りの励みにしていただいているようでありがたいです。
そのスーツの成果でしょうか、地元有力企業の重役さんとして大活躍のKさん。
新聞に昇格の人事が載るたびに自分のことのように嬉しく思います。

靴です。
Mさんはご高齢のお父様とお見えになり、お互いに2足ずつのご注文をいただきました。
Mさんに以前おすすめしたサイドエラスティックのモデル、おなじみ当店20周年モデルですが、
これをお父様にも履かせたい、と、スタイル違い、色違いで、2足。

Mさんご本人は、チゼルラストのフルブローグ、と、職人が一番嫌がると言われているホールピース、の2足。

靴には一家言お持ちのMさんらしい、マニアっぽいご注文でした。

次はこれ。

甥御さんの就職祝いに、と、「よし、おじさんが靴をプレゼントしてやるよ」と、
お二人でお見えになりまして、
そういうことならこのモデルしかないでしょうと、スワンネックステッチのキャップトゥ「02明」のご注文です。
紐が付いてないのは、紗乃織靴紐のロウ引き紐に付け替えるからです。


港区にお住まいのGさんからメールでの注文。
前寸がありますから、スタイルと革の色だけ決めればゴーできます。
写真ではわかりませんが、甲と小趾に1段階の乗せ甲をしているんです。
この赤茶色、以前の色はかなり赤っぽかったんですが、
リニュアルされてからは安心して勧められるいい色になりました。


日本一の車屋を目指すMさんのご注文は、南陽市のふるさと納税を活用したご注文。
せっかくだからいい革にしちゃおう、ということで、仏アノネイのカーフを使いました。

今回はここまで。
あれっシャツは、とお思いでしょう。珍しいことに2ヶ月間オーダーシャツがゼロ。
もともと冬場はセーターとアウターの売上が多くて、シャツの注文が減る時期ではあるのですが、
2ヶ月ゼロは初めてです。ファクトリーが心配して、お店潰れてませんよね、と、電話が入りました。
3月に頑張るからね、心配しないで。

ということで、この出来上がり紹介で、季節の切り替えとしましょう。
次項からは、春夏物の記事とになります。


出来上がり紹介。スーツ、シャツなど。

10月から今日12/18までの出来上がり紹介です。

まずスーツ。女性Oさんから。

遡って7月に開催したアルデックスのレディスの採寸会でのデータをもとに、後日ご注文をもらった
スーツです。生地は葛利毛織の100周年ダブルクロス紺です。

小柄なOさんなので心配でしたが、さすが女性の採寸だけあって、細部の微調整もうまく行って、
ご満足いただけました。
レディスのスーツは、ケージサンプルの借受、採寸者の出張、が必要となります。
予めその日程調整をいたしますから、お早めにご相談ください。

次はMさん。

スラントのチェンジポケット、フルステッチ、は、Mさんのお決まりスタイル。
生地は100周年ダブルクロスの色違いでブラックです。ストライプ感がネイビーよりも強調されます。
Mさんからは同時にシャツの注文も頂戴しました。

6枚、それぞれ少しずつ違います。

Fさんは転職に際して、心機一転の気分で、気合い入れのスーツ、スリーピースです。

生地は英ハリソンズのフロンティア。最も万能な生地としてロングセラーの人気です。
平織り300gはなかなかよそにはない生地です。色柄はブルーグレーのピンヘッドです。

次のMさんは、古くからの顧客Mさんのご子息。親子2代、というのは、近頃増えてきた傾向です。
そりゃ35年もやってりゃそうなりますね。

つぶしの効く葛利のマイクロヘリンボーンの紺と
バラケから選んだ伊ロロピアーナsuper150’sのエレガントなグレーストライプ
使い分けしやすい2着のチョイスです。
ファクトリーは、上襟のカーブでおわかりですか、那須夢工房です。
Mさん、一緒にシャツのご注文もいただきました。

ちょうどリンクルフリーフェアの期間でした。
白はごくごく普通に、ブルーはボタンや刺繍を少し遊びました。これも使い分けしやすい2枚ですね。


ソックスの注文会での商品です。
下段はフェアアイルのホーズ、メンズとレディス、Yさんご夫婦のなかよしお揃い発注です。
上段のアーガイルソックスは、ウール&コットンの新作。着用者は私・野沢でありんす。

10月11月は秋冬の最盛期にしては、出来上がりが少ない、と思われるかもしれませんね。
この時期は「揃える」モノの販売に注力していているので「誂える」モノは一息ついてしまうのかもしれません。
ジャケットのオーダーの仕上がりはまたこれから12月の後半に控えてます。
そんな中で、堅実にオーダーが入るのがシャツです。

リバティプリント。左、女性のIさん。右、男性のNさん。
おふたりとも、リバティのファンでリピートのご注文です。


2枚とも同じ生地で、カリビアンコットンsilver・100/2Gの最新作、ドビーのツイルに細ストライプを編まれた複雑な織りで、白ではなくて薄いグレーなので、独特な光沢感があります。
左はYさんのレディスなんですが、この仕上がりを見たTさんが、これ欲しい、となって同じ生地でのご注文。
オプションフェアでしたので、白蝶貝、ネーム刺繍、ポケットチーフ、を付けました。


当社のIT部門相談役、Mさんが世田谷から車すっ飛ばして静岡に来ました。
実家帰りかと思ったら、そうじゃなくてシャツの注文のために来てくれたみたい。
Mさん、夜中でも早朝でも、困ったときにツイッターにすぐに解決策をくれまして、感謝してます。
襟型を変えたり、ボタンを変えたり、クレリックにしてみたり、と、楽しんでもらいました。

はい、出来上がりいろいろ、でありました。











出来上がり紹介。スーツ、ベスト、そしてエコノミーのシャツがたくさん。

10月に入る前に、ここで出来上がりの紹介です。

まず、NZ100+JN50の記念生地、葛利のダブルクロスでのスーツの仕上がりです。

Kさんは、スリーピース、それもベスト(正確にはウェストコートと呼びます)は、衿付きのダブル、という仕様。


Mさんはオーソドックスなツーピース。細身ですがいかり肩が強い男性です。


フォーマル用のウェストコート。Yさん。
ピンクのシルク生地はフォーマル専門の神田の生地屋で私が直接買い付けてきました。


そしてエコノミーのシャツがたくさん。
急いで届けなければいけないものもありましたので、袋のまま、簡単にまとめて撮りました。
解説も省略いたします。

こうやって見るとやはり白とブルーが圧倒的に多いですね。
そんな中で、皆様、色々と自分だけの一枚になるよう、細かいところに工夫を入れ込んでいただいて、
楽しんで作っていただけたと思います。
ありがとうございました。

さぁて、10月、だぞ。