入荷速報。オーストリアのライヒトフリート社Leichtfried woollen millsから届いたローデンクロス。…といえばチロリアンジャケットのイメージですが、こいつは圧縮していても軽く柔らかで近代的な仕上がりです。

オーストリア特産のローデン・クロス。
はい、衿を縁取りしたチロリアン・ジャケットやずっしりと重たいローデンコートでお馴染みの、
お湯で茹でて圧縮させたフェルト・ウール生地の代表選手です。が、

今回始めるライヒトフリートのローデンは、上質なフラノ生地のようなソフトなタッチ。
で、剛毛ではなく、メリノウールを使った近代化がミソのようです。
これならジャケットやコートを作ってもゴワつかない仕立て映えのいい服ができそうです。
フランネルっぽく作るなら、ネイビーやグレーでしょうが、
ローデン・グリーンと呼ばれるお得意のグリーンカラーやボルドー、などもココらしくて一興です。

クラシックな雰囲気をお求めの方には、アルパカ混のヒマラヤ・ローデンもおすすめです。

おなじみのダブルフェイス素材も用意されていて、
一枚仕立てのシャツジャケットやチェスターコートにすると面白そうです。

価格は生地と工場によって異なりますが、
ジャケットで64,000円~、と、思ったよりも手頃な価格設定ができています。

この生地の織元、ライヒトフリート社Leichtfried Woollen Millsについても、
実はあまり良く知らないのですが、
100年以上続く、ローデンクロスの老舗にして、近代化を怠らず、軽量で贅沢感のあるローデンクロスを目指して研鑽を続けているそうな。
立派なサイトがあるので、ご覧いただきたいです。
Leichfried Loden

この秋は、ジャケット生地が面白いです。

入荷速報。アイルランド・モロイ&サンズから、ドネガル・ツイード11色。ウェイトもネップもやりすぎ感が抜けた、いい意味でフツーに着られる、今までにありそでなかったジャケット生地が登場です。

アイルランド特産のドネガル・ツイード(ドニゴール、とも言いますね)。
新たに届いたのがこの11色。

え、何が新しいの、なんだかつまらなくない?、と思った方もいるでしょうね。

ドネガル・ツイードと言えば、ざっくりとぶ厚くて重たい、カラフルな色糸のネップがたくさん入っている、という印象をお持ちでしょう。
当店でも今までそれを売り言葉に、ハリスツイードや他のツイードに飽き足らないような、
まあ、ちょっとマニア的な生地としてご紹介してきました。
こんな生地ですよね。W.Billのコレクションです。

今回、モロイ&サンズという会社から届いたのは、
もっと軽いし(390g)、ネップもかなり控えめ、
つまりことさらにアイリッシュネスを訴えないでいいの、という方に向けた、
ポピュラー性を狙った、今までにありそでなかったコレクションだと言う位置づけで取り上げました。

つまり、それほどドネガルツイードにこだわるわけじゃないけれど、
ハリスツイードにはそろそろ食傷気味だし、
柄物でなく、無地のいいツイードが欲しいよ、という需要はかならずある、と踏みました。

ちなみに、織元(weaver)のモロイ&サンズMolloy&sonsについては、正直あんまり良く知りません。(今回は輸入生地問屋さんの紹介なんです)
ドネガルのアーダーArdaraで5世代続く、とサイトにはあるけれど、
モロイという姓はアーダーではよくある苗字だし、自社内で織っているのかも判明しませんが、サイトは割とよくできていて、きれいな動画もあるので、
興味のある方は見てみてください。
Molloy&Sons

あ、価格を書き忘れるところでした。
ジャケット仕立て上がり参考価格。67,000円~84,000円(税別)、です。

入荷速報。英ハリソンズから秋冬ジャケットのロングセラー「ムーンビーム」がリニュアルされ生地バンチが届きました。スコットランド製、ラム75%アンゴラ25%、全52柄。月光のネーミングが頷けます。

さあ、お盆休みも明けまして、いよいよ秋冬モノに切り替わります。

もう十何年も売り続けているジャケットの生地、ハリソンズのムーンビームが
久しぶりに全面リニュアルされまして、本日手元に届きました。

ムーンビーム、つまり月光。スコットランドの某有名ミルで織られていて、
裏表紙の風景写真の様な月明かりの色合いがそのイメージなのでしょう。

組成は、スーパーファインラムズウール75%、アンゴラ25%。つまり子羊3頭+うさぎ1羽。11oz(オンス)=320gのウェイトは秋冬のジャケット生地としては軽い方に属します。

色柄は全52柄。無地調からヘリンボーン、グレンチェックまで多彩です。特に2インチ角のブロックチェックは長年定評があります。
カラーリングにもスコットランドらしさが出ています。ムーンビームの名の如きブルー系はかなりの種類があり、迷うところです。
で、見本代わりに自分用に一着分注文したのですが、散々悩んだ末、
フォレストグリーンの無地系を頼みました。
黒と緑を掛け合わせたピンヘッドで、黒い靴で合わせられるグリーン系は意外に珍しく、
ロビンフッドが住んでいたシャーウッドの森、というインスピレーションがむくむくと湧いたので、これに決めました。
(最初の写真、バンチブックの下に敷いてあるのがそのグリーンの生地です)


ジャケット仕立て上がりの価格。
制作を依頼するファクトリーによって異なりまして、
79,000円、86,000円、96,000円、です。(税別)
ベストも作れます。33,000~43000円。

ラムズウール&アンゴラ、略してラムアンとよく言いますが、
スコットランドでは、ジャケットだけでなく、マフラー・スカーフやインテリア素材としてもよく使われる糸です。
プアマンズ・カシミアとかカシミアもどき、などと揶揄する口の悪いこともいたりしますが、
粗悪なカシミア製品よりもよほどぬめりと光沢のラグジュアリー感があり、
ラムアンは、もはや一定の別領域を確実に確保した高級素材と考えたほうがいいと思います。
ビールよりも高い発泡酒や瘠せたカニよりうまいカニかまぼこ、そういう物が出てますよね。

この52柄中に、あなたを呼んでいるひと柄がきっと見つかるはずです。

 

 

ラストウィークなので再掲。イベントご案内。「シャツを作ろう!~エコノミーサービス」。年に一度の好評催事が今年も。8/19(日)まで。オーダーシャツの楽しみをぜひご体験ください。

今日は時折雷雨の天候不安定な日曜日。
夜店市の人たちは品物を出したり引っ込めたり、大変です。

今週は平日がずっと来客の絶えない忙しさだったのに、
週末の連休がぱったりと時間を持て余す、という、おかしな一週間でした。
お盆休み期間というのが影響したのでしょうか。

ともかく、シャツのエコノミーイベントも残り一週間となりました。
おっと、うっかりしてたよ、という方もいらっしゃるんじゃないか、と
ここでご案内を再掲します。
開催は19日(日)までです。
14日(火)は休みますが、15日(水)はアポが入れば店を開けますのでどうぞご連絡ください。

それでは、以下、7/26付記事の再掲です。
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お待たせしました。
年一度の名物イベント、今年も8月の開催です。
期間は、8月3日(金)より19日(日)までです。

パターンオーダーシャツ、2枚で16,600円のエコノミーサービス。

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月例エッセイ「倶樂部余話」を更新しました。第358話「一杯のうな丼」。

倶樂部余話【358】一杯のうな丼(2018年7月27日)

高校大学と、学生時代にはいろんなアルバイトを経験しました。まずは年賀状の赤い自転車乗りから始まり、お中元の配達や漬物の訪問販売、選挙事務所の手伝いなどなど。中でも一番思い出深いのが、高二の冬休み、鎌倉の有名なうなぎ店、浅羽屋でのバイトです。

集まった数名のバイトの面子も、横須賀のスケバン仲間っぽい女子だったり、歳をごまかして働いてた不良中学生だったり、と、普段は知り合えない大変ユニークな面々で、男子は皿洗い、女子は配膳が基本の仕事でしたが、ときどき交代で務める下足番の役がとても人気でした。なぜなら初詣帰りの作家や俳優、政財界などの有名人が多数座敷に上がりますし、なによりたまに帰り際にチップをくれる方もいたのです。下足番に靴べらを返しながら「ごちそうさま。銀座の何がしよりもよほどうまい」などと言われると自分のことのように嬉しく思えたものでした。(そりゃそうです、この店は、作り置きをせず、その日のうなぎはその日の朝に仕入れてさばく、という主義を貫いてきたのです。それでいて銀座の一流店よりもずっと手頃な価格設定でした)

一代で店を大きくした大将がこれまた豪快な人で、由比ヶ浜で揚げる四千枚の連凧で当時のギネスブックにも載った人。閉店後には洗い場の裏にある五右衛門風呂から陽気な鼻歌が聞こえてきました。

暮れから正月の慌ただしさも一段落して松も明ける頃、夜になってその親爺さんが我々に声を掛けます。「今日で上がりの者は何人だ。座敷ヘ行ってろ」。この声を待ってました。そう、この店では最終日のアルバイトに、主人がうな丼を振る舞ってくれるのです。これに感動しない者は一人もいないでしょう。いつか自分の銭でウチのうなぎを食いに帰って来いよ、という親父さんからの暗黙のメッセージは、未来の顧客を創造する適策でもあったのだと感じます。

あれから43年、忘れてたわけではないのですが、24歳で静岡へ移り住んだこともあり、なかなか鎌倉でうなぎを食する、という機会のないままに今に至りました。この夏、うなぎの不漁や高騰が以前にも増して話題になり、これからもうやすやすとうなぎを食べたりなんかできないなあ、どうせなら最高のうなぎを鎌倉に食べに行こうか、と、思い出の店の名を検索したところ、なんてことだ、五年前の正月明けに閉店したというではないですか。地元新聞の記事で二代目が語っていますが、要は、不漁と高騰のために店の理想と掲げる質と量と価格のバランスが取り切れない、ということのようでした。守ってきた店のポリシーを貫けなくなったのですね。さぞ辛い決断だったに違いありません。

浅羽屋がなくなってるなんて思ってもいませんでした。もっと早くに行かなければいけなかったのだ。一杯のうな丼に込められた親爺さんの顧客創造手段は決して間違ってなかった、ただ私が遅すぎたのです。すまない、大将。これからもうなぎの季節が近づくたびに同じことを思い出すのでしょうが、この後悔の思いを自分の中だけに閉じ込められなくて、今回の倶樂部余話に託すことにしました。

あ、もう一つ思い出が。このときの横須賀のツッパリ女子高生から私は初めてバレンタインのチョコをもらったのでした。(弥)

浅羽屋閉店の記事

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