半分ずっこのその2は、シャツです。
ナイジェル・ケーボンの二大定番シャツ、
オックスフォードのブリティッシュ・オフィサーズシャツ、と、
シャンブレイのエベレストメディカルシャツ、
この二つを大胆にも左右で分割して、半分ずっこしてしまうという、
なんという芸当でしょう。
これもまた作るにはかなり面倒な苦労があったろうと想像できます、
遊びも真剣にやるのです。
色は、インディゴとエクリュの2色。価格25,920円(税込)。
今シーズンのナイジェルの商品には「半分ずっこ」モノが増えていました。
なんだか隠しテーマの様でしたが、
さすがナイジェルのアイデアは他よりもちょっと卓越していまして、
半分ずっこ具合が半端じゃないのです。
多分「ユーモアは分かるけど、でもコレ私ダメ」という人も出てくるかもしれません。
これから5回にわたってその「半分ずっこ」をご紹介します。
まずその1は、トレーナ(スウェットシャツ)です。
2つのビンテージスウェットを左右で真っ二つに割って繋いでいます。
どちらも身頃と袖は素材切り替えをしていますが、
生地も違えば袖の付け方も違う、首前と首後ろのVガゼットは大きさも違う、
衿、裾、袖のリブも幅も長さも違っています。
それぞれ半身だけ作って真ん中でつなぎ合わせるなんて、
何と手間の掛かる遊びなんでしょう。
それでも、使っている糸と色はすべて統一しているので、
ぽやーと見ただけでは普通の無地のトレーナのように見えて、
とてもこんなに凝った作りをしているとは見えない、
そこがまた、いいところであります。
色は、ネイビー、グレー、エクリュの3色。価格16,200円(税込)。
前項のドイツ空軍と英仏海峡上で戦ったのが英国空軍Royal Air Force、通称RAFです。
で、こちらはそのRAFのフライトジャケットです。
まあこれも「ナイジェル・ケーボン RAFジャケット」でググれば、
いろいろな解説が読めるでしょう。
ハリのあるヘビーなポプリン素材コットン100%のシェル、
特殊なジップストッパー、二段編みの袖口リブ、
片手で操作できるサイドアジャスター、など、
細かいところの語りどころはたくさんありますが、
全体的には、こんなシンプルなジャンパーはなかなかないということであります。
狭いコックピットの中で、計器に引っ掛かるものがあってはならないので、
極力余計なものがそぎ落とされている、ミニマルの極みです。
LYBROというのはナイジェルが復活させた英国のワークブランドですが、
このブランドを付けたアイテムについては、香港のファクトリーを使い、
値ごろ感の実現を図っています。
38,880円(税込)
「ナイジェル・ケーボン ジャーマン・フライトジャケット」
軍機の狭いコックピットで邪魔にならないコンパクトな着丈、無駄を省いた装飾、
右胸のレザーは酸素ボンベのチューブを付けるため、
袖のジッパーは操縦桿を握ったままで開閉できる仕掛け、
首のストラップで防風対策、
などということは、上記をキーワード検索するとあちこちで見てとれます。
便利な時代ですが、ナイジェルの展示会でもらう資料が元になっているので
出処が一緒なら内容もほとんど同じです。
あえて私が繰り返すこともないので、詳しくは他所に譲ることにして、
このジャケットで私が感じるのは、
これが第二次世界大戦のドイツ軍モノだということについてです。
ユダヤ系の人にはこういうことでもデリケートな思いがあるのでしょうか。
もちろん、ナイジェル本人もそして私たちも、
ナチスを称賛する意図も戦争を肯定するつもりも全くなく、
このウェアの出来栄えだけを抽出しているにすぎないのですが、
考える人は考えたりするんだろうなあ、なんて思うのです。
66,960円(税込)
ドレイクスの最終追加は、より冬っぽいシリーズ。
番号は前々回、前回から通して付けています。
価格はすべて14,040円(税込)
⑪シルクネップヘリンボン (シルク100%)
アイリッシュツイードのようなネップ入りですが、
シルク素材で見た目より薄手なので、
スーツにお勧めできる素材感です。


⑫ニット風無地 (ウール70%シルク30%)
冬のニットタイ代わり、として「使える」無地です。


⑬ハウンドツース&ブルー系チェック (ウール100%)
カシミアタッチの細番手ウールなのでそれほどぶ厚くないです。
なのでジャケットがそれほど厚手のモノ(フラノやツイードなど)でなくても、
全季節ものの薄手にも合うウールタイです。

⑭ブクレチェック(ウール80%、ナイロン20%) &ブルー無地(ウール100%)
パイルの糸を使ったブクレのチェック(左)と、
今年のドレイクスは、例年になくウールっぽい素材感を打ち出したコレクションが多めです。
シルク100%もの以外のタイは以前だとキワモノ扱いでしたが、
素材で季節感を表現する、という傾向からすると、
今後もますます増えてくる領域なのかもしれませんね。
バイブリー・コートのシャツ3種、紹介します。
すべてストライプとチェックのコンビネーションで同じデザインですが、
生地と柄と価格が異なります。
A.
刷毛目(ヘアライン)状のストライプが身頃と袖のベースとなり、
衿、前立て、エルボー、裾ピース、というアクセント部分が細かいギンガムチェックです。
16,200円(税込)

B.
前と後ろの身頃がストライプ、
衿、袖、前立て、背ヨーク、裾ピースがギンガムチェック。
18,144円(税込)

C.
ボディと袖が青系のタッタソールチェック、
衿、前立て、裾ピース、が3色のブッチャーストライプ。
17,280円(税込)

と、三者三様です。
どれもオックスフォード織りの生地ですが、
いつもながら、素材選びがうまい、です。
小さなカジュアルウェアのメーカーの中には、
意外にシャツへの「素材音痴」なところが多くて、
「どうせ洗ったりダメージ加工したりするんだから、
素材は多少悪いもの使ってもわかりゃしないだろう」
という姿勢の感じられるところが往々にあるものなんです。
その点、バイブリーコートの下間さんは、いつもほんとにうまい素材を選んでくるなぁ、
といつも感心します。
ドレスシャツに使っても遜色ないほどの細番手生地を
惜しみなく洗いを掛けたオフタイムのシャツに用いています。
パターンも、レディスのファクトリーじゃないかも思えるほど、
実に立体的な縫製でして、
正直言うとちょっとたたみにくいんです。立体的過ぎていて…
細身なのに動きやすい、という不思議な型紙です。